
法改正情報の一覧
フリーランスの保護強化に関する新たな法律が施行
「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス新法)が施行されました。フリーランスに業務を委託する事業者には、書面による契約条件の提示や支払期日の設定、ハラスメントの防止措置などが義務付けられます。違反した場合、事業者名の公表や50万円以下の罰金といったペナルティの対象となる可能性があります。
【2024年】最低賃金の引き上げ
10月から各都道府県の最低賃金が引き上げられます。引き上げ額(時給)は都道府県ごとに50円から84円です。全国加重平均で51円の引き上げとなり、1978年に最低賃金の目安制度が始まってから最高額の引き上げ額となります。最低賃金を下回る賃金しか支払っていない場合、差額分を支払う必要があるだけでなく、罰金のペナルティを受ける可能性があります。
短時間労働者に対する被用者保険の適用が拡大(51人以上)
パート・アルバイトなど、短時間労働者に対する社会保険の適用範囲が拡大されます。これまでは従業員数が101人以上の企業が対象でしたが、新たに51人以上の企業が対象に含まれます。社会保険に加入させる必要があるのは、「週の所定労働時間が20時間以上、賃金月額が8.8万円以上、2か月を超える雇用期間が見込まれる、学生ではない」の4つの要件をすべて満たす従業員です。
業種ごとに定められた労災保険率が変更
業種ごとに定められている労災保険率が改定されます。労災保険率は業種平均で0.1/1,000引き下げられます(4.5/1,000→4.4/1,000)。全54業種のうち、引下げとなるのは17業種で、引上げとなるのは3業種です。
【2024年度】雇用保険料率(23年度と同率)
2024年度の雇用保険料率が発表されました。2023年度と同率です。具体的には、失業等給付などの保険料率は労働者負担・事業主負担ともに6/1,000(農林水産・清酒製造の事業、建設の事業は7/1,000)、雇用保険二事業における事業主の保険料率は3.5/1,000(建設の事業は4.5/1,000)です。
医師に対する時間外労働の上限規制が適用
医師に対する時間外労働の上限規制が適用され、年間の時間外労働が原則として最大960時間に規制されます。ただし、都道府県の指定を受けた医療機関は年間1,860時間まで緩和されます。規制が緩和される医療機関は、救急医療など地域医療の確保に必要な医療機関(B水準)、医師の派遣を通じて地域の医療提供体制の確保に必要な役割を担う医療機関(連携B水準)、医師や研修医の研修などを行う医療機関(C水準)が該当します。
ドライバー職に対する時間外労働の上限規制が適用
トラックやバス、タクシーなどのドライバーに対して時間外労働の上限規制が適用され、年間の時間外労働が最大960時間までに規制されます。労働時間の適切な管理に加えて、人手不足に対する人員の確保や業務の効率化を図ることが重要です。
建設業に対する時間外労働の上限規制が適用
建設業は労働時間の上限規制に猶予期間が設けられていましたが、規制の対象となります。時間外労働の上限は月45時間・年360時間が原則です。労使間で臨時的な特別な事情による特別条項を合意していたとしても、年720時間(月平均60時間)などの上限が設けられます。違反すると罰金の対象となる可能性があるため、労働時間の正確な管理が必要です。
【2024年度】障害者の法定雇用率が引き上げ(2.3%→2.5%)
障害者の法定雇用率が従来の2.3%から2.5%に引き上げられます。引き上げにより、40人以上の従業員を常時雇用する事業主を対象に、障害者の雇用が義務付けられます。障害者雇用の支援を目的とする助成金の新設や拡充が予定されています。ぜひ、活用してください。
障害者総合支援法の改正で障害者の就労支援などが強化
改正障害者総合支援法の施行により、所定労働時間が週10時間以上20時間未満の障害者について、雇用率算定の際に0.5人でカウントできるようになります。一方、週10~20時間未満で働く障害者を雇用する事業主に支払われる特例給付金が廃止されるなど、障害者雇用に影響するさまざまな制度が改正されます。