
法令改正情報の一覧
月60時間超の時間外労働の割増賃金率が引き上げ(中小企業)
大企業だけでなく中小企業においても、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が従来の25%から50%へと引き上げられます。働き方改革による生産性の向上と労働時間の縮減が必要です。就業規則の変更が必要な場合もありますし、給与計算において割増賃金の金額にミスが生じないよう注意してください。
事業再構築に必要な人材確保に最大280万円まで助成
産業雇用安定助成金に「事業再構築支援コース」が新設されました。新型コロナウイルス感染症の影響等で一時的な事業縮小を余儀なくされた中小企業の事業主に対し、事業再構築に必要な人材確保のための助成金として、280万円/人(一事業主あたり5人まで)が支給されます(中小企業以外は200万円/人)。中小企業庁が実施する「事業再構築補助金」の交付決定を受けていることなどが要件です。
【2023年度】雇用保険料率
2023年度の雇用保険料率が発表されました。失業等給付などの保険料率は労働者負担・事業主負担ともに6/1,000(農林水産・清酒製造の事業、建設の事業は7/1,000)に変更されます。雇用保険二事業における事業主の保険料率は、引き続き3.5/1,000(建設の事業は4.5/1,000)です。
労災就学援護費・労災就労保育援護費の金額が変更
労働災害で亡くなった方の遺族や、重度の障害を負った方などに対し、学費や保育費の補助のために支給される労災就学援護費・労災就労保育援護費の金額が変更されます。労災就学援護費のうち、「高等学校等」「中学校等」は2,000円、「小学校等」は1,000円の増額ですが、労災就労保育援護費は2,000円の減額となります。
労災保険の介護(補償)等給付額が引き上げ
労災保険の介護(補償)等給付額が改定されました。常時介護を必要とする者に対する最高限度額(月額)は17万2,550円(前年度比900円増)、最低保障額は7万7,890円(同2,600円増)。随時介護を必要とする者への最高限度額は8万6,280円(同500円増)、最低保障額は3万8,900円(同1,300円増)となります。
男性従業員の育休取得状況の公表が義務化(1,000人以上)
育児・介護休業法の改正により、常時雇用する従業員が1,000人を超える企業は、男性従業員の育休の取得状況などを年1回公表することが義務付けられます。公表は自社のウェブサイトや厚生労働省が運営するウェブサイト「両立支援のひろば」などから行うことができます。
第14次労働災害防止計画が開始
労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた5か年計画である「第14次労働災害防止計画」がスタートしました。計画には、死亡災害、死傷災害の減少を目指し、高年齢労働者や外国人労働者の労働災害防止対策の推進、個人事業者に対する安全衛生対策の推進など、8つの重点対策が掲げられています。
新型コロナに関する母性健康管理措置の適用期間が延長
2023年3月末までとなっていた新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の適用期間が同年9月末まで延長されます。作業による感染リスクへの心理的ストレスが母体または胎児の健康保持に影響を及ぼすとして、主治医や助産師から指導を受けた妊娠中の女性労働者が申し出た場合、事業主は指導にもとづき必要な措置を講じる必要があります。
【2022年】最低賃金の引き上げ
すべての都道府県の最低賃金が引き上げられ、引き上げ額(時給)は都道府県ごとに30円から33円です。全国加重平均で31円の引き上げとなり、1978年に最低賃金の目安制度が始まってから最高額の引き上げ額となりました。最低賃金を下回る賃金しか支払っていない場合、差額分を支払う必要があるだけでなく、罰金のペナルティを受けるおそれがあります。
短時間労働者に対する被用者保険の適用が拡大
短時間労働者に対する社会保険の適用範囲が拡大されます。これまでは「従業員数が501人以上の企業」が対象でしたが、新たに「101人以上」の企業が対象に含まれます。なお、2024年10月からは「51人以上」まで、さらに対象が拡大される予定です。