
法改正情報の一覧
トラックの荷役作業に対する安全対策が強化
トラックでの荷役作業について、これまでは最大積載量5トン以上の車両を対象に、昇降設備の設置や保護帽の着用が義務付けられていましたが、2トン以上5トン未満の車両も対象に追加されます。また、2024年2月からは、テールゲートリフターの操作者を対象にした安全衛生に関する特別教育の実施も義務化されます。
賃金のデジタル払い制度が開始
従業員が同意した場合、賃金のデジタル払いが可能になります。賃金のデジタル払いには、振込手数料の削減に繋がる、従業員の多様なニーズに対応できるといったメリットがありますが、高額な振り込みができない(上限100万円)、システムの導入にコストがかかるといったデメリットに注意しましょう。
月60時間超の時間外労働の割増賃金率が引き上げ(中小企業)
大企業だけでなく中小企業においても、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が従来の25%から50%へと引き上げられます。働き方改革による生産性の向上と労働時間の縮減が必要です。就業規則の変更が必要な場合もありますし、給与計算において割増賃金の金額にミスが生じないよう注意してください。
事業再構築に必要な人材確保に最大280万円まで助成
産業雇用安定助成金に「事業再構築支援コース」が新設されました。新型コロナウイルス感染症の影響等で一時的な事業縮小を余儀なくされた中小企業の事業主に対し、事業再構築に必要な人材確保のための助成金として、280万円/人(一事業主あたり5人まで)が支給されます(中小企業以外は200万円/人)。中小企業庁が実施する「事業再構築補助金」の交付決定を受けていることなどが要件です。
【2023年度】雇用保険料率
2023年度の雇用保険料率が発表されました。失業等給付などの保険料率は労働者負担・事業主負担ともに6/1,000(農林水産・清酒製造の事業、建設の事業は7/1,000)に変更されます。雇用保険二事業における事業主の保険料率は、引き続き3.5/1,000(建設の事業は4.5/1,000)です。
労災就学援護費・労災就労保育援護費の金額が変更
労働災害で亡くなった方の遺族や、重度の障害を負った方などに対し、学費や保育費の補助のために支給される労災就学援護費・労災就労保育援護費の金額が変更されます。労災就学援護費のうち、「高等学校等」「中学校等」は2,000円、「小学校等」は1,000円の増額ですが、労災就労保育援護費は2,000円の減額となります。
労災保険の介護(補償)等給付額が引き上げ
労災保険の介護(補償)等給付額が改定されました。常時介護を必要とする者に対する最高限度額(月額)は17万2,550円(前年度比900円増)、最低保障額は7万7,890円(同2,600円増)。随時介護を必要とする者への最高限度額は8万6,280円(同500円増)、最低保障額は3万8,900円(同1,300円増)となります。
男性従業員の育休取得状況の公表が義務化(1,000人以上)
育児・介護休業法の改正により、常時雇用する従業員が1,000人を超える企業は、男性従業員の育休の取得状況などを年1回公表することが義務付けられます。公表は自社のウェブサイトや厚生労働省が運営するウェブサイト「両立支援のひろば」などから行うことができます。
第14次労働災害防止計画が開始
労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた5か年計画である「第14次労働災害防止計画」がスタートしました。計画には、死亡災害、死傷災害の減少を目指し、高年齢労働者や外国人労働者の労働災害防止対策の推進、個人事業者に対する安全衛生対策の推進など、8つの重点対策が掲げられています。
新型コロナに関する母性健康管理措置の適用期間が延長
2023年3月末までとなっていた新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の適用期間が同年9月末まで延長されます。作業による感染リスクへの心理的ストレスが母体または胎児の健康保持に影響を及ぼすとして、主治医や助産師から指導を受けた妊娠中の女性労働者が申し出た場合、事業主は指導にもとづき必要な措置を講じる必要があります。